2011年09月14日 (水)
vol.3もvol.2と同じく参加サークルさんへのインタビューの続きとなる。今度のインタビューは、百合サークルとして長く活動されている「桜井家」さんの内容になる。百合のジャンルで10年以上続けている「桜井家」さんの百合への想いとは?
– 「桜井家」さんは長く百合のジャンルをやっているイメージがありますが、
いつごろからこのジャンルを始められたんでしょうか?
かな 2000年からですね。
タキ Tactシリーズからなんで、2000年の5月5日のコミティアからスタートです。
– Tactシリーズが完結して、その後に コスミック出版さんから「きもちのかたち」が出版されましたが、
その時の思い出などありますか?
タキ 超キャッキャしました(笑)
かな うれしかったし、あとは信じられないってのが最初にありました。
タキ 基本的にあの作品は、すごく長く描いていたので愛着があるので「良かったね」みたいな遠巻きに眺めるような気持ちになりました。ただ、商業誌にしては自分的には絵が下手だと思ってイヤでした。ほんと申し訳なかったです。
– 加筆修正が結構大変だったと聞きましたが…
タキ いちお、まるっ!っと描いたんですけど、スケジュールがとてもタイトだったのでまるっ!と、描き直したわりにはもうちょっと頑張れなかったかな。
かな でも、さすがに7年位前の古い原稿だったので描き直さないと、とても耐えられないという…(笑)
– Tactという作品は、「きもちのかたち」で終わってしまいましたが、
今後はどのような百合ジャンルの作品を作っていこうとお考えですか?
タキ いつも考えてないよね(笑)
かな うちはいつも行き当たりばったりで…、その時になって今回は何を描こうかな。見たいな感じで描いているので(笑)
タキ それぞれ、お互い好きなキャラはいるので、この話にしたいな。って時にそのキャラにあった話があれば、って所です。例えば、今回の話はこの主人公でしかできないですね。
– ちょっとお話の方向を変えまして…。「桜井家」さんが百合のジャンルに手を出したきっかけって一体なんだったんでしょうか?
タキ コミケに受かったら…だろ(笑)
かな 昔、初めてコミケに受かって、やった事の無かったことをやろう!と思ってたんですよ。そのときやったこと無かったのが、百合でエロだったので百合でエロい本を作ろう!っていうのが最初です。その時は二次創作で、百合エロを描くのはこれで最後だろうなと思って描いたのが最初ですね。
タキ ジャンルも聞かないと!(笑)
– え?じゃ、ジャンルは…?
かな ジャンルは…、神風怪盗ジャンヌです。「都」と「まろん」が可愛くて…。
タキ 修正の話まですると良いよ♪
– しゅ、修正の話って??
かな ちょっと…あの…消しが薄いとチェックが入ってしまって(苦笑)
タキ この子、ほっとくと際限なく描くんです(笑)
– 男性のだと、消すラインはある程度わかりやすいですけど。女性だと…確かに。
かな そうなんですよ(苦笑)
– その後も百合を描かれていますが、百合を描き続けようと思ったきっかけになった作品などがあったのでしょうか?
かな きっかけは、さっきのジャンヌだったんですけど、桜井家は百合を見て描こうと思ったって言うよりは、私の描いたジャンヌの本を、タキさんに見せたら逆にレズ物描かない?って誘いがきたのがきっかけなんです。
タキ 私はその時に落書きで、Tactの「リナ」と「まこと」が出来て設定もポコポコポコ~と書き溜めてあったんで
かな 自分達で描き始めてから、逆に他の人の百合作品を読むようになったので。
タキ 最初は、こんなのコミケでも誰もいないかもしれん。どうしようって(泣)
かな で、自分達で本を作ってイベントに参加してみたら。アレ?うちって百合じゃないよね?って。これレズのやおいだね。違うよね。って。
(注、ヤオイは本来は「ヤ」ヤマ場無し 「オ」オチ無し 「イ」意味無しの頭文字をとって作られた言葉であり、ただ意味もなく性行為を行うだけなどのストーリーの作品で自虐的に使われることが多い)
タキ 私自身、とても腐女子らしい事をしていたのでそれが原因かも。昔の腐女子の王道は大体通ってきて幽遊白書・サムライトルーパー・るろうに剣心・ワンピース・ガンダムW・エヴァとか…。結構通ってますよ(笑)名義上一応百合物としますけど、私初めて描いたのはガンダムWのノイン×レディアン本でした(笑)でも愛は無くて、ノインのレディアンに対する嫉妬本です(笑)
– 「タキ」さんは腐の王道を通ってるということなんですね…
かな あ、私はショタの方を通ってました(笑)レツゴーとか、ミニ四駆作ってました!私はそっち方面で(笑)ちなみに、百合との出会いというと「奥 浩哉」先生の「変[HEN]」の2巻ですなんです。まだ百合とか全然知らなかった頃に友達に借りて読んで、2巻を読んだ時に訳の判らない感動を覚えて本屋さんに買いにいったんです(笑)でも、その時は全く感動する意味が判らなかったけど、今思えばあれは百合だから感動したんですね。自分でも何で感動したか判らなくて、友達も「何でそんな感動してるの?」って
タキ 変[HEN]は男の子もあったんだよね
かな 男の子もあったんだけど、性転換しちゃう話もあったんだけど2巻が一番良いんです(笑)
タキ 大好きなことはわかった!
– 確かに変[HEN]から入る人って結構聞きますね。
かな 「あの頃はまだ、百合物自体が少なかったから一般のコミックスで。っていうと珍しかったと思います。」
– さて、今後の「桜井家」はどうなっていくんでしょうか?ペーパーで、「桜井家」は百合をやるよ!って書いてありますし。百合をこれからも描き続けるということでいくんでしょうか?
タキ 俺達の旅はまだ始まったばかりだ!
– いや、そのセリフは(笑)では百合の創作がメインという形でしょうか?
タキ オリジナルが面白くてしょうがないんです。裏でタイバニのBLやってるんですが、オリジナルの方がずっと面白いです。
– オリジナルの面白いところってどんなところなんでしょう。
タキ やっぱ、全部俺!じゃないですか?(笑)自分が神ということで何でも自分で決めるし責任とるし。パロディだとどうしてもキャラが好きで買ってって下さる方がいる。でも、どうせ愛されるんだったら自分が作ったキャラが愛されたいんですね。
– ワガママですね(笑)
タキ そのキャラ好きだよ。その内容わかるよ。ってのと、ありがとう!そのキャラ作ってくれて、そのオリジナルキャラが好き!っていわれるのはだいぶ違います(笑)
以上が、インタビューの内容となる。この場を借りて、桜井家の かなさん と タキさん 長時間に及ぶインタビューにお答えいただきありがとうございました。
では、あとは今回の新刊の内容を簡単に紹介して終わりにしたいと思う。
今回の新刊「花の蜜は苦いか甘いか」は、2009年12月に発行された「アゲハ」2010年5月に発行された「じゅーはち」の続編となる。ハナの恋愛感である、「欲望の後に愛はついてくる」という考えのもと、毎回先生が美味しく頂かれてしまうお話。今回も同じように先生はハナに美味しく頂かれてしまうのだけど…。実はハナが先生を支配して、美味しく頂いているんじゃなくて、逆にハナは先生のその性格に支配されているのかもしれない。あれ?私が攻めてるはずなのに、攻めさせられてる?みたいな。恋愛の関係って思ったようにはいかないのかも。
【関連記事】